有酸素系によるATPの生成
2020/06/17~06/25
皆さん、こんにちは。
「はなつ」です。
今回も引き続きATPの生成について書いていこうと思います。
ATP生成経路の一つ、「有酸素系」についてです。
見やすく書けてはいないのですが、参考になれば幸いです。
有酸素系
解糖系によって生成されたピルビン酸、脂肪の分解により生じた遊離脂肪酸、アミノ酸から変換されたピルビン酸等が、ミトコンドリア内で処理される過程でATPが生成される経路です。
酸素を必要とする好気的反応です。
また、解糖系によって生成されたNADHも関係してきます。
有酸素系の特徴
ATPを生成する経路の中で、一番遅い回路が有酸素系となります。
速度は早くないのですが、ATPの生成数が一番多いのが、この有酸素系です。
酸素、糖質、脂肪酸、アミノ酸が尽きない限り無限にATPを生成することができます。
有酸素運動では、有酸素系によって生成されたATPがメインで使われています。
※ATP-CP系によるATP、解糖系によるATPも少ないですが、使用されるそうです。
有酸素系の仕組み(糖質編)
解糖系によって生じたピルビン酸は好気的条件下でミトコンドリアに取り込まれます。
- ピルビン酸がアセチルCoAに代謝され、同時にNADHという補酵素が合成される。
- アセチルCoAがクエン酸回路(TCA回路)に入り、GTP(最終的にATPに変わる)が合成され、同時に補酵素であるNADHとFADH2が合成される。
- NADHとFADH2が電子伝達系での反応に使用され、多くのATPが合成される。
グルコースは解糖系と有酸素系によって32分子、もしくは30分子のATPが合成されます。
※P/O比を2.5、1.5で計算した場合。
解糖系:グルコース=>2ピルビン酸+2ATP+2NADH(ミトコンドリア外)
ミトコンドリア内:2ピルビン酸=>2アセチルCoA+2NADH
TCA回路:2アセチルCoA=>6NADH+2FADH2+2GPT
電子伝達系(肝臓、心臓、腎臓):8NADH+2FADH2+2NADH(ミトコンドリア外)=>20+3+5
電子伝達系(上記以外の臓器):8NADH+2FADH2+2NADH(ミトコンドリア外)=>20+3+3
合計:32ATP(肝臓、心臓、腎臓)、30ATP(それ以外の臓器)
有酸素系の仕組み(脂質編)
脂肪の分解により生じた遊離脂肪酸をスタートとして、ミトコンドリア内でATPが合成されます。
- 遊離脂肪酸がアシルCoAに変換される。
※この変換では、2分子のATPが消費される。 - アシルCoAは一連の反応を経て、脂肪酸アシルCoAという形でミトコンドリア内に取り込まれる。
- β酸化という工程により、脂肪酸アシルCoAからアセチルCoAとNADHとFADH2が生じる。
※β酸化1サイクルで、アセチルCoAが1分子、NADHが1分子、FADH2が1分子生じる。 - 脂肪酸アシルCoAが全てアセチルCoAに変換されるまでβ酸化が続く。
※最終サイクルではアセチルCoAが2分子、NADHが1分子、FADH2が1分子生じる。 - アセチルCoAはクエン酸回路(TCA回路)に入り、ATPと補酵素であるNADHとFADH2が合成される。
- NADHとFADH2が電子伝達系での反応に使用され、多くのATPが合成される。
1分子の遊離脂肪酸からのATP合成数は、遊離脂肪酸の種類によって異なります。
例として、遊離脂肪酸の1つであるステアリン酸(C18)では、2分子のATPで脂肪酸アシルCoAに変換された後、ミトコンドリア内でβ酸化が8サイクル行われ、アセチルCoAが9分子、NADHが8分子、FADH2が8分子生じます。
アセチルCoAからはTCA回路と電子伝達系によって10分子のATPが合成されるので、ステアリン酸からは合計120ATPが合成されます。
奇数炭素の遊離脂肪酸や不飽和脂肪酸では反応が異なるのですが、割愛させていただきます。
有酸素系の仕組み(タンパク質編)
タンパク質はアミノ酸に分解され吸収されます。
体を作るアミノ酸は20種類あり、それぞれエネルギーへの変換方法が異なるため、ここで詳しくは書きません。(書けません。。。)
アミノ酸は、ピルビン酸やアセチルCoAに変換された後、TCA回路に入ることによりATPが合成されます。
肝臓で糖新生によりグルコースに変換され、グルコースとしてATPを合成する経路も存在しています。
1分子のアセチルCoAからのATP合成数
TCA回路:アセチルCoA=>3NADH+1FADH2+1GPT
電子伝達系:3NADH+1FADH2=>7.5+1.5
合計:10ATP
~~あとがき~~~~~~~~~~
今回の記事はだいぶ時間がかかってしまいました。
そして、読みづらくなってしまったかと。。。
化学式とかも書いてしまったので。。。
しかし、一通りのATP合成について書いた結果、ほぼほぼ理解できたかと思っています!
いずれ、わかりやすくまとめなおしたいと思います。