生卵×納豆の食べ合わせ問題
2020/5/10~5/17
皆さん、こんにちは。
「はなつ」です。
今回は初めてまともな記事を書いてみました。
栄養の事を調べていたりすると、生卵×納豆の食べ合わせが良くないという記事にたどり着く時があります。
それを見てから、僕は生卵を温泉卵に切り替えて食べるようになりました。
今回はこの食べ合わせについて調べてみました。
結論
生卵×納豆の食べ合わせは「問題無し」だと、僕の中では結論付けました。
この話の由来は以下の通りです。
- 納豆には頭髪や皮膚に有益なビオチンが豊富に含まれている
- 生卵の卵白にはアビジンという物質が含まれている
- アビジンはビオチンと結合する性質があり結合後は消化吸収されない
- 生卵×納豆はビオチンが吸収できなくなるため食べ合わせが良くない
ただ、実際に計算してみると吸収されなくなるビオチンは、もともと卵に含まれているビオチンの10%程度。
つまり、卵の90%のビオチンと納豆の100%のビオチンは吸収できるのである。
ただし、余すところなく栄養を取りたいという場合には、卵白が白くなるまで加熱(温泉卵くらい)してから混ぜれば完璧です。
ちなみに、生卵状態で混ぜてから加熱しても、結合後なので10%分は吸収出来ません。
※下の方に計算があります。間違っていたらご指摘をお願いします。
卵と納豆の栄養素について
卵の栄養素
卵は完全食とも言われていて、食物繊維とビタミンC以外のすべての栄養素を含んでいます。
以下のグラフは、20歳~29歳男性の1日に必要な栄養素に対して、卵1個でどのくらい取得できるかを表したグラフです。
完全栄養食と言われていますが、もちろん卵だけ食べていればよいという事ではありません。
栄養素には、摂取上限があるものもあり、多くても8個にしておくのが良いと思います。
ナトリウムは卵1個で、摂取上限の12.6%程になってしまいます。
今回の食べ合わせに関係してくる栄養素は、ビオチン(ビタミンB7)とアビジンとなります。
卵1個当たり、ビオチンは12.7μg、アビジンは180μg含まれています。
納豆の栄養素
納豆(1パック50g)にも様々な栄養が含まれています。
モリブテンは約600%、ビタミンKは約200%、納豆だけで取れてしまいます。
そして、納豆(1パック50g)のビオチン(ビタミンB7)含有量は約9.9μgです。
ビオチンについて
ビオチンは水溶性のビタミンB群の一種で、食品から摂取や腸内細菌によって合成されます。
ビオチンの効果としては、皮膚や髪の毛の健康維持や、筋肉痛緩和の効果があります。
また、炭水化物、タンパク質、脂質の代謝の過程で、酵素の働きを助ける働きがあります。
ビオチンの食事摂取基準は18歳~29歳でおよそ50μgとされています。
(日本人の食事摂取基準2020年版)
また、過剰に摂取しても、尿として排泄されるため、過剰摂取で何か不調をきたす事はないとされています。
ここでもう一つの栄養素が登場します。「アビジン」です。
アビジンはたんぱく質の一種で、ビオチンと非常に結合しやすい性質を持っています。
そして、結合後は体に吸収されにくくなってしまいます。
アビジンは卵の卵白部分に多く含まれているため、生卵を混ぜると卵黄中のアビジンと結合し、体に吸収されなくなってしまうのです。
アビジンは卵白が白くなるくらい加熱処理を行えば、ビオチンと結合しなくなるので、摂取した全てのビオチンを吸収できるようになります。
ビオチンの吸収率計算
計算の前提
- アビジン1分子に対して、ビオチンは最大4分子結合
- ビオチンの分子量:244.3
- アビジンの分子量:68000
計算
卵1個当たりのビオチンの数
=12.7×10の-9乗÷244.4×6×10の23乗
=0.312×10の14乗
卵1個当たりのアビジンの数
=180×10の-9乗÷68000×6×10の23乗
=0.0159×10の14乗
結合し吸収されないビオチンの数
=0.0159×4×10の14乗
=0.0636×10の14乗
吸収されないビオチンの割合
=0.0636÷0.312×100
=10.4%
※分子量:¹²C(質量数12の炭素原子)を12とした時の質量の比、原子量を足した質量、分子を1mol集めた時の質量、単位はない
※原子量:ある原子の同位体を計算に含め計算した1molの質量、単位はない
※相対質量:ある原子を1mol(6×10の23乗個)集めた時の質量
水素¹Hの1molの質量=1g
結論
生卵×納豆の食べ合わせは「問題無し!」。
卵白に含まれるアビジンが、生卵と納豆のビオチン吸収を阻害するが、その割合は生卵のビオチンが10%吸収されなくなるだけ。
計算上は生卵のビオチン90%と納豆のビオチン100%を吸収できる。
ただし、おすすめは温泉卵くらいに加熱した後に混ぜる!です。